まさか!そんなことをするなんて!昨日までできなかったのに!
【CONTENTS】
パンやすりおろしりんごで窒息したり。
窓やベランダから落ちたり、自宅のお風呂で溺れたり。
車の中で寝てると思ったら熱中症になっていたり。
子どもの不慮の事故による死亡は、少子化の影響もあり、減少傾向ではあるものの、今でも病気を含むすべての死因のなかで上位を占めています。そして、不慮の事故による死者の過半数は4歳以下と、低年齢であることもわかっています。
事故が起こる場所別でみると、もっとも多いのは家庭内で、全体の4割を占めています。事故といえば家の外で起こるものと思いがちですが、そうとは限らないのです。
事故が報じられるたび、「ちゃんと見ていたの?」「目を離してたんじゃない?」と保護者の責任を問う声も少なくないと思います。
ですが、子どもってびっくりするくらい俊敏に動きますよね。すぐに全力で追いかけたってなかなか追いつけないし、おとなが思っている以上に知恵も働く。
加えて、保護者のわたしたちには育児以外に仕事も家事もある。トイレにも行くし、お風呂にも入る。寝る時間も必要。
そう、どんなにがんばっても、子どもから24時間一瞬たりとも目を離さずにいることなんて不可能なんです。
だからこそ、日頃からの対策が大切。
目は離れるものだという前提に立ち、見てないときがあっても、すぐに大きな事故につながらない対策をとってほしいのです。
本書は、総合病院で小児救急を担当している著者が、保護者にむけてわかりやすく、家庭内での不慮の事故を予防するための内容をまとめました。
項目ごとに「なぜ危険なのか」「ケガをしたり、事故に遭ったときの対応の仕方」「ケガや事故を防ぐためのポイント」「解説」で構成しています。
とくに「解説」では、事例とともに子どもを不慮の事故から守るための具体的な方法や考え方をアドバイス。
「うちの子に限って」ではなく「もしかしたらうちの子にも」と自分ごととして捉え、「まさか!」「こんなことをするなんて!」とならないように、日頃から意識できるようにしましょう。
以下、目次より
頭
・頭のケガを見つけたらキホン的には受診してください
・ベッドや階段などから落ちる(転落)
・窓やベランダから落ちる(墜落)
・転んでゴツッと頭をぶつける(転倒)
口の中
・誤飲や中毒を見つけたら状況の確認を、窒息は急いで詰まったものを吐かせましょう
・ボタン電池などのモノを食べた(異物誤飲)
・タバコや医薬品などのモノを食べた(中毒)
・枝豆やミニトマトなどがのどに詰まる(窒息)
・歯ブラシでのどを突く
皮ふ
・やけどを見つけたら急ぎ流水で冷やしましょう
・熱いものをかぶって、触ってやけど
・電子機器などでやけど(電撃熱傷)
溺れる
・事故の件数は少ないが亡くなった人の割合では断トツ
・お風呂で溺れる(溺水)
・川や海などで溺れる(水難)
熱中症
・梅雨明けの暑い日がもっともキケン。屋内で発症することも
・乳幼児の熱中症
・乳幼児の車内熱中症
・中高生の熱中症(スポーツ熱中症)
首にひもが巻きつく
・服のフードやブラインドのひもなど身近なものが重大事故につながることも
・子ども服のフードなどで窒息(縊頸)
・ブラインドやカーテンのひもなどで窒息(縊頸)